四間飛車党の備忘録

四間飛車メインで振り飛車・相振り飛車・右玉なども含めあれやこれや綴っていきます。

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B面攻撃と端攻めに見る現代相振りの好防

 『鈴木大介の将棋 相振り飛車編』を購読。まださらっと読んだだけなので詳しいことは言えないが、

 1、「B面攻撃」と称して相手の攻め駒を責めにいく発想

 2、常に生じる端攻めの筋

 この二つが強調されている点が印象に残った。1はまだ相振り飛車の囲いの大半が金無双を占めていた時代にも筆者の得意としていた作戦で、だいたいこのパターンで大駒を圧迫して攻め駒をクリーニングしにいくことが多かった。
 2に関して言えば、『相振り革命3』でも強調されている通り。相手が穴熊ないしは美濃囲いの場合は、端攻めが有力な手段たりうる。

 先手びいきの手順ばかり載っている感は否めないが、相振り飛車を指す者としては買っておいて損はない一冊と言えよう。なお、次の一手や実戦編などは一切なく、純粋に研究に終始した内容となっている。

不満な点は四間飛車の将棋が一局しかないことだけ

 最近本格的な自戦記が出てないなあ……と思っていたら、ビッグネームが満を持して登場した。
 そう、3連敗から奇跡の4連勝で逆転防衛、連続五期竜王となり初代永世竜王となった渡辺竜王の『永世竜王への軌跡』である。
 第1部の「自戦記編」では、計10局をユーモラスかつ初心者にも分かりやすく、将棋界特有の用語の解説なども交えて、対局中の心理なども赤裸々に告白しつつ綴っている。第17期~第21期の七番勝負の一局一局それぞれのエピソードなども語られており、ためになるだけではなく読み物としても面白い。
 第2部の「棋譜解説編」では、計31局を見開き2ページで振り返っている。図面、解説ともに豊富で、買ったその日に筆者はすべて盤で並べてしまった。
 当ブログ管理人としては、四間飛車の将棋が一局だけ(しかも先手藤井システムなので参考にならない)なのが唯一の不満点だが、それは仕方のないこと。第21期七番勝負の初戦、挑戦者の羽生名人が制した将棋は右玉の会心譜と言ってもいい内容で、非常に興味深いものがあった。
 値段こそ1800円とやや高めだが、ページ数は300を超えておりコストパフォーマンスとしては充分。『注釈 康光戦記』以来となるトッププロの記したこの一冊、文句なしにおすすめである。

 

日本将棋連盟のタイムリーな出版

 世に定跡書や詰め将棋・将棋入門の本は数多くあれど、一人の棋士について書かれたものは少ない。最近では羽生四冠、谷川九段、故村山九段といったところだろうか。
 そんな状況の中、『棋士 瀬川晶司―61年ぶりのプロ棋士編入試験に合格した男』が出版された。一連の瀬川氏のプロ入りの話題をこのまま尻つぼみにしてはならないという、日本将棋連盟の意気込みが伺える。
 内容は瀬川プロに対するロングインタビューをはじめ、「将棋世界」に連載された観戦記及び自戦記の収録、アマチュア棋士(主にNEC将棋部の方々)による祝福のメッセージ、観戦記者達によるプロ棋士編入試験に至るまで、あるいは試験期間中の詳しいいきさつなどが書かれている。
 アマ時代の瀬川氏がプロと対戦した際の棋譜も網羅されており、内容の詰まったお得な一冊と言えよう。瀬川プロに対して関心を持った方、編入試験のいきさつを固唾を飲んで見守っていた将棋ファンにとっては、『棋士 瀬川晶司―61年ぶりのプロ棋士編入試験に合格した男』、まさに買いの一冊ではないだろうか。

次の一手に学ぶ終盤術

 当たり前のことであるが、終盤力とは詰みを読み切る能力のみで決まるものではない。中盤の終わり以降どのような寄せの構図を描くか、自玉の安全度はいかばかりのものか…終盤力を構成する要素は枚挙に暇が無い。
 終盤力を鍛えるには詰め将棋を、あるいは必死問題を解けばいいといった風潮が色濃い中、興味深い本が発行された。『羽生善治の終盤術1 攻めをつなぐ本』である。
 サブタイトルに「攻めをつなぐ本」とあるように、同著は即詰みに討ち取ることそのものではなく、詰みに至るまでの過程、すなわち寄せに主眼を置いている。「優勢なときはわかりやすく」「攻め駒が足りない時」など、18例にそれぞれテーマを設けて羽生四冠自身の実戦を題材に次の一手形式で出題されている。『四間飛車を指しこなす本』シリーズと同様に、最初は右ページだけを読み進め、末尾まで辿り着いたら本を逆さまにして再び右ページだけを読み進めるという形式を採用しており、問題数も豊富である。次の一手の正解手に対する相手の応手があり、そのまた次の手が問題となっているようなケースも少なからず見られる場合もあり、非常に効果的なレイアウトと言えよう。
 「終盤術」と称してはいるが、終盤の入り口で今後の方針を定めるような地味な一手、敵玉に直接迫るわけではない一手(対抗形における居飛車の2筋の突き捨てなど)なども出題に含まれており、詰め将棋や必死問題だけでは決して培うことのできない終盤力、ひいては棋力を養うのに最適な一冊といえよう。
 かつて谷川九段が「光速の終盤術」という名著を上梓したが、『羽生善治の終盤術1 攻めをつなぐ本』もそれに負けず劣らずの内容となっている。中盤で優勢になってもその後の方針が分からない、あるいは寄せをしくじり逆転負けを喫することが多い、とにかく終盤が苦手だという方は是非手に取ってみてはいかがだろうか。

待望の第二巻、講師からの要望とは

 日頃順位戦を見ていると、アマチュアのみならずプロ間でも振り飛車(相振り飛車も含む)の多さが印象に残る。中にはB1のようにほぼ全局が相居飛車系統の将棋になるクラスもあるのだが…。
 当ブログでも先日取り上げた『新・振り飛車党宣言!』シリーズ、その第二巻が発売された。今回は題して「三間・四間・ゴキゲン中飛車」。向い飛車を除く三つの振り飛車が網羅されているという、豊富な内容の一冊となっている。
 筆者としては引き続き四間飛車に関する記述が多い(六つの項目に分かれた定跡研究編の内、半数の三つが四間飛車を取り上げている)のが嬉しい限りだ。渡辺竜王の『四間飛車破り 【居飛車穴熊編】』で居飛車良しとされている局面のさらに先の手順を解説して「振り飛車充分」と述べられているなど、個人的には興味津々の内容である。
 一冊を通しての構成は前回と変わらず、定跡研究編・自戦記解説編・次の一手編・振り飛車熱戦譜の四章となっている。しかし前巻との変化は、最後の振り飛車熱戦譜の途中図と投了図の下部に、そして総譜が短く余ったスペースにも解説が付け加えられたことである。
 当ブログの記事で不満と述べていた点が一つ解消されたことになったわけだが、このことに関してまえがきには「講師の方々の希望により」加えられたと言及されている。プロ棋士の先生方もよりよい棋書を作ろうと自ら考え意見を述べていることが伺え、何となく嬉しくなってくるではないか。
 次の一手編も熱戦譜と重複した出題が減り、編集部も含めての熱意が感じられる『新・振り飛車党宣言!2』。幅広い戦法を取り上げているということもあり、振り飛車党ならずとも「買い」の一冊ではないだろうか。
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