四間飛車党の備忘録

四間飛車メインで振り飛車・相振り飛車・右玉なども含めあれやこれや綴っていきます。

課題の局面から新手が現れるも…

 1月16日に行なわれたA級順位戦の羽生-久保戦は大変興味深い将棋となった。居飛車穴熊対四間飛車の定跡形となり第1図、筆者の課題局面でもある▲2六角型の基本形である。
 『四間飛車破り 【居飛車穴熊編】』では「▲3七桂は形を決め過ぎ」と述べられていたが、プロ間でもこの形が主流となりつつあるようだ。名人戦棋譜速報のコメントで渡辺竜王は「僕は居飛車党だから、ここで振り飛車がどう指すのが最善かがわからない」と述べている。候補手は△8五歩・△1二香・△4一飛の三つで、筆者が指してみたい△6五歩は含まれていなかった。
 ともあれ、ここからどのように進行していくのであろうか。

第1図  第1図以下の指し手
       △6二銀 ▲7八飛 △8三銀
 ▲7五歩 △4一飛 ▲7四歩 △同 銀
 ▲5五歩 △同 歩 (第2図)

 △6二銀が久保八段の温めていた新手か。対する先手は▲7八飛と転換する。△8三銀▲7五歩に△同歩▲同飛は次の▲4五飛が受からないため、後手はこの歩を取ることができない。△4一飛の待機策に▲7四歩△同銀と取り込み、5筋を突き捨てて第2図。ここで攻めを継続する大技が飛び出す。
第2図  第2図以下の指し手
 ▲7四飛 △同 金 ▲5三銀 △7一銀
 ▲7五歩 △同 金 ▲6四銀不成△7八歩
 ▲同 金 △2八飛 ▲5三角成(第3図)

 ▲7四飛とばっさり切って▲5三銀が露骨な攻め。△7八歩▲同金△2八飛なら▲6二銀不成△2六飛成▲6一銀不成△同飛▲4五桂が想定される手順だ。本譜は△7一銀と逃げ、▲7五歩△同金▲6四銀不成に△7八歩~△2八飛と反撃するも、平然と▲5三角成と成り込まれてしまった。
第3図  第3図以下の指し手
       △6二金 ▲7三銀不成△同 金
 ▲6八銀 △6四銀 ▲5二馬 △4四飛
 ▲7六歩 △7四金引▲8六桂 △8五金
 ▲7四桂 △7二玉 ▲7七桂 (第4図)

 △6二金の受けに▲7三銀不成~▲6八銀が冷静な手順。△6四銀と金取りを受けるも、▲5二馬と逆先で返され△4四飛と浮いた形はいかにも後手の飛車角に働きがない。対する先手は▲7六歩△7四金引に▲8六桂と急所に打ち据えて好調である。
第4図 △8五金に▲7四桂△7二玉▲7七桂とパンツを脱ぐ攻めが出て、金の捕獲が確定しては先手の攻めは切れなくなった。以下攻め倒して羽生四冠の快勝、一敗をキープした。一方の久保八段は二勝五敗と苦しい成績に。

 第1図からの新手△6二銀は筆者としては不発に終わったと考えている。それにしても羽生四冠の攻めが見事で、まさに。『羽生善治の終盤術1 攻めをつなぐ本』の題材にそのまま採用されてもおかしくないような内容であった。やはり▲2六角型は難敵である、と再認識させられた一局。
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