四間飛車党の備忘録

四間飛車メインで振り飛車・相振り飛車・右玉なども含めあれやこれや綴っていきます。

十一手目を咎めに行く棋聖

 12月14日に行なわれたA級順位戦第6回戦、久保-佐藤康戦より。▲7六歩△3四歩▲6六歩に佐藤棋聖は△3二飛と指して相振り飛車模様の将棋となり第1図。▲7五歩は△7四歩~△7三銀と矢倉に組まれる手を阻止したものだが、これに対して後手は敏感に反応した。

第1図  第1図以下の指し手
       △5四歩 ▲8六歩 △5三銀
 ▲8五歩 △6四銀 ▲7六銀 △5五銀
 ▲6八飛 △7一玉 ▲4八玉 △3五歩
 ▲5八金左(第2図)

 7五の歩を狙って△5四歩~△5三銀~△6四銀と銀を繰り出す。▲7六銀の受けにはさらに△5五銀。▲6七銀では手損なので▲6八飛と6六の歩を受けたが、当初の向い飛車に振る予定を先手は狂わされてしまった。以下駒組みを進めて第2図を迎える。
第2図  第2図以下の指し手
       △3六歩 ▲同 歩 △同 飛
 ▲6七銀 △5二金左▲6五歩 △3一角
 ▲7八飛 △3三桂 ▲2八銀 △6四歩
 (第3図)

 △3六歩▲同歩△同飛に▲3七歩は△6六銀の筋が気になったか、先手は▲6七銀と結局手損する羽目になった。以下△3一角と引かれて執拗に7五の歩を狙われる。▲7八飛と間接的に受けたものの、△3三桂▲2八銀に△6四歩と後手はなおも積極的に動く。
第3図  第3図以下の指し手
 ▲5六歩 △4四銀 ▲6四歩 △同 角
 ▲3六歩 △3四飛 ▲3八玉 △5五歩
 ▲8八飛 △7五角 ▲4六歩 △3五銀
 (第4図)

 ▲5六歩△4四銀と追い返してから▲6四歩と取ったものの、△同角と好所に角を出て後手好調である。▲3六歩△3四飛▲3八玉にも△5五歩と追撃の手を緩めない。先手も遅ればせながら▲8八飛と回るも、△7五角と手順に取られてしまった。
第4図 既にこの辺りでは後手の模様が良いと思われるが、次の▲4六歩は争点を自ら作ってしまい自爆のような手に映る。すかさず△3五銀と狙われて第4図。
 実戦はここから▲5五角△6四角▲6六角△6五歩▲7七角△4六角と進行し、そこで△7九角成を防いで▲6八歩と打たされるようではつらい。以下は後手の上部からの攻めに押しつぶされる格好となり短手数で先手が土俵を割り、佐藤棋聖が四勝目を上げた。一方の久保八段は二勝四敗と苦しい星取りに。

 第1図の▲7五歩を巡る攻防が展開されたが、終始後手がペースを握っていた印象を受ける。5五の銀を結局うまく先手は追うことができなかった。A級順位戦前局の佐藤康-鈴木大戦に続いて、相振り飛車でも佐藤棋聖が強さを見せつけた将棋と言えよう。
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コメント

やっぱりダメなのかなあ…

どうも。
相振り飛車で矢倉を嫌がる傾向はずっと続いているようですね。これを見る限り久保クラスでも嫌がっているようですが、最近の私は相振り矢倉を潰すのが好きでして…
第4図で▲76歩と打って、とにかく局面を収めようと思う私にはやっぱりプロの素質はないのでしょう。こんな手はいわゆる「死んでも指せない手」ですから。ただ、本譜のように角をぶつけられブッ捌かれて飛ぶよりはいいと思うのですが…

  • 2005/12/16(金) 21:21:19 |
  • URL |
  • Lenazo #d13JL4Hw
  • [ 編集]

Re:やっぱりダメなのかなあ…

矢倉にあえて組ませて潰す、という考え方も昔からありますな。
既に第4図の時点で久保八段も自分の劣勢を感じ取っているでしょうが、さすがに▲7六歩はプロの指さない手でしょうね。もっとも本譜はさらに屈辱的な▲6八歩を打たされる羽目になりましたが…。

  • 2005/12/17(土) 18:39:41 |
  • URL |
  • nusono #EbFvTiSQ
  • [ 編集]

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