四間飛車党の備忘録

四間飛車メインで振り飛車・相振り飛車・右玉なども含めあれやこれや綴っていきます。

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たった一手のミスとは

 C級2組第7回戦の二局目は村田-広瀬戦を見て行きたい。ここまで一敗の広瀬四段と二敗の村田四段、いずれも昇級を争う者としては負けられない一戦である。そんなお互いの思惑を反映してか、後手の四間飛車穴熊に対して先手も銀冠から組み替え、相穴熊の将棋となった。
 プロ棋士のキャンパスLIFEには「(後手が)序盤やや作戦勝ち気味」「勢いに任せて仕掛け」「自分でも優勢を意識していた」が「たった一手ミスをしてしまっただけで大変どころか悪くなってしまいました」とある。以上の情報をもとに、「一手のミス」とはどの手かを筆者なりに検証してみたい。
 局面は第1図。仕掛けから二十手ほど経過しているが、これ以前に「ミス」はないと見た。「途中1箇所うっかりがあったものの大事には至らず」という場面は通り越しているかもしれないが…。ともあれここからの手順を追って行く。

第1図  第1図以下の指し手
       △5七馬 ▲3四飛 △6二飛
 ▲7八金寄△7二銀 ▲6八歩 △4六歩
 ▲5四歩 (第2図)

 互いに穴熊だが堅さは後手が上回る。飛車の取り合いはできず、先手の▲3四飛は仕方のないところだ。△6二飛に▲7八金寄と△6七歩成を受けるが、金が玉から遠ざかり感触は良くない。対する後手の△7二銀は飛車先を通しつつ玉を固める味の良い手。この対比からも後手が優位であると推測できる。
第2図  第2図以下の指し手
       △4七歩成▲5三歩成△6五飛
 ▲5九歩 △5六馬 ▲5四飛 (第3図)

 ▲5四歩を放置して△4七歩成は驚きの一手だが、なるほど「5三のと金に負けはなし」になっても△6五飛と逃げて、6筋に歩が立たないためすぐに金気を取られる形ではない。よって先手は▲5九歩と渋く受ける。これを広瀬四段は「うっかり」した可能性もあると見た。△5六馬と引き次の△5七とを見せる後手に対して、先手は▲5四飛と馬取りに回って第3図。ここが問題の局面ではないだろうか。
第3図
  第3図以下の指し手
       △5七と ▲5六飛 △同 と
 ▲1二角 △5七飛 ▲2一角成 △6四飛
 ▲6五桂 (第4図)

 △5七とが「一手のミス」ではないか。▲5六飛と馬を取られ、△同とに▲1二角でと金と桂馬の両取りがかかってしまった。虎の子のと金を失うわけにはいかず△5七飛と受けたが、▲2一角成~▲6五桂で桂損から金損へと被害が拡大してしまった。
第4図 プロ棋士のキャンパスLIFEにも「桂損ならまだ耐えますけどやっぱり金損は大きい…」とあるように、ここで形勢が逆転したと筆者は推察する。代替手段としてじっと△4六馬はどうか。以下▲4二と右△5七と▲5二と寄△6八と…のような単純な攻め合いなら後手に分がありそうだ。ただし△4六馬に▲4四飛と飛車成りを見せつつと金寄りを牽制する手が気になるか。△3七馬と桂を取る手も馬がそっぽに行くようにも思える。
 実戦は第4図以下も見ごたえのある攻防が続いたものの、最後に華麗な決め手を放った先手の勝利。村田四段、広瀬四段ともに四勝二敗となった。

 前回大平先生の将棋を検討した際のように、プロ棋士のブログに書かれた対局の感想をもとに一局の将棋をあれこれ考えてみた。先日筆者は「棋力向上にどれだけ役に立つかは未知数」と記したが、改めて思うにこのやり方も手を読む力を養う上ではなかなか効果的ではないかという気もする。
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コメント

初めまして

僕の将棋を題材にしてくださってありがとうございます。
「1手のミス」とは全くその通りの△5七とです。代わりに△5五歩としておけば先手は指し手に窮していたようです。

  • 2005/11/19(土) 00:08:52 |
  • URL |
  • 広瀬 #-
  • [ 編集]

Re:初めまして

掲載を好意的に受け止めて頂きありがとうございます。
△5五歩は打ちづらい歩ですが、なるほど先手の指す手が難しいですね。お答え頂きありがとうございます。大変勉強になりました。

  • 2005/11/19(土) 11:06:33 |
  • URL |
  • nusono #EbFvTiSQ
  • [ 編集]

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