四間飛車党の備忘録

四間飛車メインで振り飛車・相振り飛車・右玉なども含めあれやこれや綴っていきます。

相振り端歩を受けるべからず?

 11月9日に行なわれたA級順位戦5回戦の佐藤康-鈴木大戦より。▲7六歩△3四歩▲6六歩の出だしから相振り飛車となり、先手の向い飛車+美濃対後手の三間飛車+矢倉というよくある形となった。第1図は▲9六歩に対して後手が△9四歩と受けたところだが、この端歩が後に波紋を呼ぶことになる。

第1図  第1図以下の指し手
 ▲4七銀 △2四歩 ▲3八金 △2五歩
 ▲9五歩 △同 歩 ▲同 香 (第2図)

 4七に金を上がれば高美濃となり普通の形だが、佐藤棋聖の選んだ手は▲4七銀。続く▲3八金で玉の脇腹が空きあまり良い囲いとは思えないが、どのような思惑があるのだろうか。
 2筋が薄いため△2四歩~△2五歩はこう指したくなるところだが、結果的には2四に空間を作ったことにより先手の攻めを呼び込んでしまった。9筋から仕掛けるのが機敏な構想。
第2図  第2図以下の指し手
       △9三歩 ▲同香不成△同 香
 ▲9四歩 △同 香 ▲9五歩 △3四飛
 ▲9四歩 △9二歩 (第3図)

 矢倉に対して早々に端攻めを敢行するのは『相振り革命3』P42やP46にも載っている指し方。「▲1七歩(本では先後逆。第2図での△9三歩に相当)と受ければ潰れはしないが、一本取られた感じがする」と述べられているが、本譜はさらに踏み込んで▲同香不成から歩を連打して香車を取りにかかる。
参考1図 ▲9五歩を△同香と取れば後手は歩得を主張できるが、▲9五同角の局面(参考1図)は次に▲2四香と▲7三角成~▲4一銀、あるいは▲2三銀の三つの狙いが残り、この全てを後手は防ぐことができない。
 すなわち①△6二銀は▲同角成△同金左▲2三銀。②△8二銀は▲2四香が痛打となる。△3一角は▲2一香成、△3三角は▲2三香成。△4四角や△5五角と逃げてもそれぞれ▲4五歩・▲5六歩と追い回され、いずれ角の逃げ場がなくなってしまうことを確認してほしい。7三に逃げればもちろん▲同角成~▲4一角だ。③△6四銀も同様に▲2四香で角を取れる。
参考2図
 ▲2四香と▲4一銀(角)を消して④△3四飛が最善と思われるが、今度は▲7三角成△同金(△同桂は端が手薄となり▲9八飛と寄る手が残っていけない)▲2三銀の強襲を受ける。△2四飛▲2二銀成△同飛で駒の損得なくしのげたようだが、ここで▲2三香が厳しい。▲4一角の両取りを受けるには△1二飛しかないが、▲2一香成と桂馬を取られて参考2図。
 後手は豊富な持ち駒があるものの、先手陣はまとまりが良く攻めの手がかりを掴めない。1二の飛車も隠居しており、先手の有利は明らかだ。
第3図 実戦は▲9五歩に対して△3四飛と先受けするも、▲9四歩に△9二歩と謝るようでは先手良し。以下も着実に優位を拡大する指し回しで後手を圧倒、佐藤棋聖が三勝目を上げた。

 『相振り革命3』には「端歩の考え方」という章を設けて美濃囲いや矢倉の場合で端歩を安易に受けるのは危険と述べている。本局は▲2四香の傷もあり余計に▲9五歩が厳しくなってしまったが、2筋の歩を伸ばした構想よりも△9四歩が疑問の一着だったというのが筆者の見解。無論のことそれを見逃さなかった佐藤棋聖の仕掛けも素晴らしかった。

 A級順位戦4回戦の対羽生戦に続いて序中盤の攻防で劣勢に立たされてしまった鈴木大介八段だが、この将棋では持ち時間を全て使いきり、さらに投了間際ではあるが自陣に六枚目の金気を投入するなど粘りを見せた。願わくば前局でもこのような頑張りを見せて欲しかった、と思うのは筆者だけであろうか。二勝三敗と負けが一つ先行してしまったが、今後の巻き返しに期待したい。
スポンサーサイト

コメント

怖いものですなあ

どうも。
私も以前、相振り飛車でしげりゅん(仮名)に端から仕掛けられたことがあり、あまりにも早過ぎる端歩突きは危ないかなとうすうす感じてはいましたが…怖いものですな。

  • 2005/11/12(土) 08:44:26 |
  • URL |
  • Lenazo #d13JL4Hw
  • [ 編集]

Re:怖いものですなあ

Lenazoさんどうもです。
相振りの端はかなり重要ですな。特に美濃囲いは端攻めされてよく潰れるような…金無双以外は端歩を受けない、が最近の筆者のパターンとなっております。

  • 2005/11/12(土) 13:47:34 |
  • URL |
  • nusono #EbFvTiSQ
  • [ 編集]

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://4kenbisya.blog11.fc2.com/tb.php/155-c9b2b23b