四間飛車党の備忘録

四間飛車メインで振り飛車・相振り飛車・右玉なども含めあれやこれや綴っていきます。

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「亜急戦」、あるいは「準急戦」

 11月8日に行なわれたC級1組順位戦の第7回戦より何局か見て行きたい。まずは窪田-児玉戦を取り上げる。窪田五段の四間飛車に対して、カニカニ銀で有名なベテラン児玉七段は△6四銀左からの急戦を選択。とは言ってもいきなり大駒総交換になるような激しい変化ではなく、△7四銀型に組み替えて攻撃陣をじっくり整える「亜急戦」あるいは「準急戦」と呼ばれる戦い方を採用した。
 先手も駒組みを進めて迎えた第1図。『四間飛車の急所2』P253のB図、『四間飛車破り【急戦編】』P183のA図と類似した局面であるが、本局は先手が早めに▲1五歩と端の位を取っているのが大きな相違点だ。いずれにせよ△6五歩の仕掛けには▲3七角が用意されており、居飛車も一筋縄ではいかない形だが…。

第1図  第1図以下の指し手
       △6三金 ▲2五歩 △6五歩
 ▲3七角 △7三桂 ▲7六歩 △同 歩
 ▲5五歩 (第2図)

 △6三金▲2五歩(自玉の懐を広げるとともに敵玉を狭くする味の良い手。この交換はやや先手が得か)を入れてから後手は△6五歩と仕掛けるも、やはり▲3七角があった。
 △7三桂で飛車先が止まったのを見て▲7六歩と合わせる。△同歩に単に▲同銀ではなく▲5五歩がうまい突き捨てだ。
第2図  第2図以下の指し手
       △同 歩 ▲7六銀 △6四金
 ▲7七桂 △6六歩 ▲7五歩 △同 銀
 ▲同 銀 △同 金 ▲6三銀 △7一飛
 (第3図)

 第2図で△5五同角なら▲同角△同歩▲7六銀で、仮にそこで△6四金なら▲6五歩△同桂▲同銀△同金▲7三歩△同飛▲8二角のような攻めも有り得る。抑え込みの方針を貫きたい後手としては角交換に持ち込むのは損で、角筋は止まるが△5五同歩は致し方ないところだ。
参考1図 以下本譜は▲7六銀△6四金に先手が▲7七桂と力を溜めたが、ここで△7五歩と打つ手も考えられる。▲6七銀と引くわけにはいかず先手も大変そうだが、強く▲6五銀と出て△同桂▲同桂と進めれば、銀が逃げても▲5四歩~▲4六桂~再度▲5四歩と垂らして駒損を回復する筋があり振り飛車が指せそうだ(参考1図)。
 実戦での後手の指し手は△6六歩。▲同金は△7五歩と押さえられてしまうのでこちらから▲7五歩と打ち、交換した銀を6三に投入する。△7一飛と逃げられた第3図は歩切れのため後続が難しいようだが、ここで派手な一手があった。
第3図  第3図以下の指し手
 ▲8五桂 △同 桂 ▲5四歩 △4四銀
 ▲6六金 △7七歩 ▲6八飛 △5七銀
 ▲7五金 △6八銀成▲6四金 (第4図)

 ▲8五桂が一歩を取りつつさばきを見せる一着。この瞬間に△7七歩が気になるところだが、▲5四歩△4四銀を決めて▲6八飛△8五桂に▲6六金とぶつけていく要領だろうか。筆者の棋力でははっきりとは分からないのだが…。
 本譜は△8五同桂に▲7二歩もありそうだが、貴重な一歩は▲5四歩と急所に使って△4四銀に▲6六金が力強い一手。
第4図
 △7七歩以下は名人戦棋譜速報に掲載されていた「ある若手棋士と奨励会員の検討」で予想された通りの手順を経て第4図。「振り飛車が捌けているため優勢ではないか」という見解通り、先手はかなりの駒損だが攻め駒が存分に働き、角も使える形だ。対する後手は戦線に取り残された駒がいかにも多すぎる。
 以下は先手が▲5三歩成を実現し、6筋の金銀を敵玉に寄せていく手厚い攻めで快勝。窪田五段が四勝目を上げた。一方の児玉七段は六連敗と未だに初日の出ない苦しい星取りに。

 第1図のような局面は実戦でもよく現れる形だが、△6三金と上がった本局は玉が極端に薄くなったため居飛車が勝ちにくい印象を受ける。加えて▲1五歩、▲2五歩型のため彼我の玉の広さに差がついてしまっている。結果的には2筋の位も傷(△2六香など開いた空間に駒を打たれるような筋)とはならなかった。
 先手としてはいかに抑え込まれずに、多少強引にでも駒をさばけるかどうかが焦点となったが、窪田五段がうまい指し回しを見せて勝利をものにした。振り飛車党としてはお手本とすべき一局。
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