四間飛車党の備忘録

四間飛車メインで振り飛車・相振り飛車・右玉なども含めあれやこれや綴っていきます。

松尾流の堅さを再認識

 渡辺竜王の優勝で前期銀河戦は幕を閉じ、10月より第14期の各ブロックトーナメントの対局が進行している。今回はAブロック1回戦の小林宏-依田戦を取り上げてみたい。依田六段の四間飛車に小林六段は居飛車穴熊を採用、オーソドックスな進行となり第1図を迎える。何気ない序盤のようだが…。

第1図  第1図以下の指し手
 ▲6八銀 △5四歩 ▲7八金 △5二飛
 ▲3七桂 △8二玉 ▲7九銀右(第2図)

 ▲6八銀が機敏な一手。後手は5筋を突いておらず、この瞬間に△5五歩や△5三銀がないのを見越している。△5四歩に▲7九銀右でも7一玉型が響いてすぐに動くのは危険だが、本譜は▲7八金とここで上がった。
 △5二飛には▲3七桂と跳ねて△5五歩▲同歩△同銀に▲4五桂を見せ、△8二玉▲7九銀右で松尾流穴熊の完成である。
第2図  第2図以下の指し手
       △5五歩 ▲同 歩 △同 飛
 ▲2四歩 △5六歩 ▲6八角 △2四歩
 ▲2二歩 (第3図)

 次に▲6八角と引かれると△2二飛を余儀なくされ、それでは後手が作戦負けなので△5五歩と動くのは当然。▲同歩△同飛に▲6五歩も有力で、実際▲2四歩に△同歩ならそこで突く予定だったらしい。居飛車の2筋の突き捨てはほぼ手抜かれることなく入るとしたものだが、ここでは△5六歩があった。▲2三歩成は△1五角と手順に桂馬取りに出られてまずい。
第3図 ▲6八角にそこで△2四歩と手を戻せば今度は▲6五歩の筋がない。先手は代わりに▲2二歩と打って攻める。

  第3図以下の指し手
       △3五歩 ▲2六飛 △2五歩
 ▲同 飛 △3六歩 ▲4五桂 △2四歩
 ▲2一歩成△4五銀 ▲3五飛 (第4図)

 △3五歩と後手も桂頭を狙う。▲2六飛に△2五歩も手筋で、▲同桂ではやはり△1五角とさばかれてしまう。よって▲2五同飛と取るのはこの一手だ。
第4図 振り飛車は△3六歩を実現したが、そこで▲4五桂に△2四歩と打ったのが疑問手。▲2一歩成と取られ、△2五歩と飛車を取るのは▲3三桂成△同銀で銀がそっぽに行ってしまう。△4五銀に▲3五飛と回られてみると、▲4五桂△同銀▲2一歩成に△2四歩▲3五飛と進んだのと同じことになっている。実際にはここで△2四歩とは打たず△3七歩成が予想されるが、これならば△4七と~△5七歩成を見せて実戦的にはまだ難しかった。
 第4図では△3七歩成が入っていないため△3四歩と打てず、飛車の成り込みを確実なものとした先手の優勢が明らかとなった。

 以下は▲7五歩と突く攻めが厳しく小林宏六段の勝ち。後手は難しい変化に持ち込むチャンスもあったが、その場合でもやはり松尾流の堅陣が活きる展開になったと思われる。△9四歩型のため端攻めができないのも振り飛車にとっては痛い。
 第1図のように△6三金と上がるなら端歩を突かずに△8二玉を急ぐか、あるいは端の付き越しを急いで△7一玉型で戦うことも辞さずの構えを見せるか。どちらかに方針を定める必要があったと思われる。いずれにせよ松尾流の堅さを再認識させられた一局。
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