四間飛車党の備忘録

四間飛車メインで振り飛車・相振り飛車・右玉なども含めあれやこれや綴っていきます。

角道の止まった棒銀

第1図 C級2組順位戦第四回戦の長岡-村田戦を取り上げる。順位戦初参加の長岡四段は先手四間飛車を採用、対する村田四段は△7三銀と上がり棒銀の意思表示を見せた。第1図は6七の銀を▲7八銀と引いたところで、△8四銀なら▲6五歩と突こうという狙いだ。第61期A級順位戦の藤井-羽生戦では、9筋の交換がない形から羽生竜王(当時)が△6二飛と指したが…。

  第1図以下の指し手
       △4四歩 ▲6七銀 △8四銀
 ▲7八飛 △7二飛 ▲5九角 △7五歩
 ▲4八角 △6五歩 (第2図)
第2図
 後手の村田四段は△4四歩と自ら角道を止めた。▲6五歩の反発が甘くなると見て先手は▲6七銀と戻すが、この手損がどう影響するか。
 以下は通常の四間飛車対棒銀の定跡手順だが、▲4八角では▲9七(9八)香と浮く手もありそうだ。本譜は△6五歩と突かれて第2図。

  第2図以下の指し手
 ▲7七桂 △7六歩 ▲6五桂 △7七歩成
 ▲7三歩 △同 飛 ▲同桂不成△7八と
 ▲8一桂成△7七と ▲9一成桂△6九飛
 (第3図)
第3図
 ▲6五同歩は△4五歩が香取りとなり嫌味だ。▲7七桂は大胆な一手だが、本譜のように▲7三歩と打つ手があり成立すると見ている。対して△6七とと先に銀を取るのは▲7二歩成△7八とに▲5三桂成と守備銀をはがされて後手いけない。△7三同飛▲同桂不成と桂馬をそらして、△7八と~△7七とで銀を取りに行く。△6九飛と打たれて次の△6七とが受けづらそうだが…。

  第3図以下の指し手
 ▲5九飛 △同飛成 ▲同金寄 △6七と
 ▲同 金 △7九飛 ▲8一飛 (第4図)
第4図
 ▲7八銀と捨てて受ける手もありそうだが実戦は▲5九飛。△同飛成には▲同金寄だが、美濃囲いが乱れて少し不安な気もする。△7九飛に今度は▲8一飛と打ち下ろして第4図、ここから一転して渋い応酬となる。

  第4図以下の指し手
       △7三銀 ▲9七香 △6二銀右
 ▲2六香 △7一歩 ▲8五竜 △4三金右
 ▲5七金 △4五歩 ▲5八金引△1三角
 (第5図)
第5図 取り残された銀を△7三銀と立て直すのは棒銀の手筋とも言うべき一手。対する▲9七香も振り飛車の常套手段だが、この瞬間に▲2六香と打つべきではないだろうか。持ち駒の銀を使わなければ▲2三香成は受からない形だ。
 本譜は△6二銀右に▲2六香だったため△7一歩の底歩が固い。攻める場所を変えて▲8五竜にも△4三金右と予め備えて上部が手厚くなった。先手も▲5七金と自陣を整えるが、△4五歩▲5八金引に△1三角と覗かれて逆モーションを突かれた印象がある。戻って△4五歩に▲同竜ではいけないのだろうか。
 第5図以下振り飛車は徐々にリードを広げられる形となり、結果は村田四段の勝ち。本格的な寄せ合い・攻め合いが見られる前に先手が投了してしまい、やや物足りない印象を受けた。長岡四段はこれで1勝3敗と苦しい星勘定に。やはり先に▲2六香を決める手を逃したのが敗因ではないだろうか。
 第1図から△4四歩と角道を止める手は工夫した一手で、大いに研究の余地がありそうである。第2図の直前で▲4八角に代えて▲9七(9八)香と上がる手も近日中に調べてみたい。
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://4kenbisya.blog11.fc2.com/tb.php/114-7b9010f0