四間飛車党の備忘録

四間飛車メインで振り飛車・相振り飛車・右玉なども含めあれやこれや綴っていきます。

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次の一手に学ぶ終盤術

 当たり前のことであるが、終盤力とは詰みを読み切る能力のみで決まるものではない。中盤の終わり以降どのような寄せの構図を描くか、自玉の安全度はいかばかりのものか…終盤力を構成する要素は枚挙に暇が無い。
 終盤力を鍛えるには詰め将棋を、あるいは必死問題を解けばいいといった風潮が色濃い中、興味深い本が発行された。『羽生善治の終盤術1 攻めをつなぐ本』である。
 サブタイトルに「攻めをつなぐ本」とあるように、同著は即詰みに討ち取ることそのものではなく、詰みに至るまでの過程、すなわち寄せに主眼を置いている。「優勢なときはわかりやすく」「攻め駒が足りない時」など、18例にそれぞれテーマを設けて羽生四冠自身の実戦を題材に次の一手形式で出題されている。『四間飛車を指しこなす本』シリーズと同様に、最初は右ページだけを読み進め、末尾まで辿り着いたら本を逆さまにして再び右ページだけを読み進めるという形式を採用しており、問題数も豊富である。次の一手の正解手に対する相手の応手があり、そのまた次の手が問題となっているようなケースも少なからず見られる場合もあり、非常に効果的なレイアウトと言えよう。
 「終盤術」と称してはいるが、終盤の入り口で今後の方針を定めるような地味な一手、敵玉に直接迫るわけではない一手(対抗形における居飛車の2筋の突き捨てなど)なども出題に含まれており、詰め将棋や必死問題だけでは決して培うことのできない終盤力、ひいては棋力を養うのに最適な一冊といえよう。
 かつて谷川九段が「光速の終盤術」という名著を上梓したが、『羽生善治の終盤術1 攻めをつなぐ本』もそれに負けず劣らずの内容となっている。中盤で優勢になってもその後の方針が分からない、あるいは寄せをしくじり逆転負けを喫することが多い、とにかく終盤が苦手だという方は是非手に取ってみてはいかがだろうか。
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