FC2ブログ

四間飛車党の備忘録

四間飛車メインで振り飛車・相振り飛車・右玉なども含めあれやこれや綴っていきます。

先手四間飛車ならではの悩み

 11月18日に行なわれたB級2組順位戦の第7回戦より、畠山成-杉本戦を検討してみる。振り飛車党同士の対戦であるが、畠山七段の四間飛車に杉本六段は居飛車穴熊を採用、▲6六銀型対△8四角型というオーソドックスな形となり第1図。
 9月16日の第4回戦の対小野八段戦でも手順こそ違えどまったくの同型となっており、その将棋は『四間飛車破り 【居飛車穴熊編】』P122のように△6四歩(本では先後逆なので▲4六歩)と仕掛けているが、本局は違った進行を見せる。

第1図  第1図以下の指し手
       △3二金 ▲8八角 △7三角
 ▲2七銀 △4二銀 ▲3八金 △3一銀右
 ▲7七角 △8四角 ▲9八香 △7三角
 (第2図)

 △3二金は後手番の上に一手損する不思議な手で、控室の検討では「千日手も視野に入れた戦略かも」とのこと。振り飛車から動く筋はないと見て▲8八角と待機し、先手は銀冠に、後手は松尾流へと組み替える。さらにお互い角を動かすなど手待ちをして第2図。
第2図  第2図以下の指し手
 ▲6九飛 △8二飛 ▲6八飛 △6二飛
 ▲6六銀 △8四角 ▲5七銀 △7三角
 ▲6九飛 △8二飛 ▲6八飛 △6二飛
 まで千日手(第3図)

 同一局面が4回登場しあっけなく千日手が成立してしまった。先手としては不満な結果と思われるが、何か打開策はないのだろうか。
 考えられるのは第1図以下△3二金に▲6六角だが、△同角▲同銀△8二飛▲7七銀の局面は先手から動きづらい。
第3図 後手四間飛車の立場で千日手は歓迎という手順でも、先手四間飛車となれば話は別である。先手では▲6六銀型を用いたい筆者としては、居飛車にこうも簡単に千日手含みの作戦が生じてしまうというのはあまり有り難い事態ではないのだが…。
 さりとて6六の銀を5七に引かなければ今度こそ居飛車に△6四歩と仕掛けられるということもあり、第1図以前に先手が手を替える場所というのは見当たらない。第1図以降では先ほどの角ぶつけの筋くらいしか局面を動かす手はないように思える。

 先後を入れ替えての指し直し局は畠山七段が制したものの、定跡形と言って差し支えのない形から戦いらしい戦いも起こらずに千日手になってしまうという、不可解な点の残る一局となった。いずれにせよNHK杯の深浦-川上戦なども含めて、四間飛車の△4四銀(▲6六銀)型対居飛車穴熊の▲2六角(△8四角)型がプロ間での流行形であり、また振り飛車にとって厄介な対策であることに間違いはなさそうである。
スポンサーサイト