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四間飛車党の備忘録

四間飛車メインで振り飛車・相振り飛車・右玉なども含めあれやこれや綴っていきます。

溜める藤井システム

 12月6日に行なわれたC級1組順位戦第8回戦の将棋を何局か取り上げて行きたい。まずは石川-児玉戦より。千日手指し直しとなった本局は先手の石川六段が引き続き四間飛車を採用、藤井システムの布陣を敷いた。対する児玉七段は一目散に居飛穴に囲って第1図。
 この形にはとかく疎い筆者であるが、『これが最前線だ!』P51に類似形を発見した。しかし同著では△7四歩と▲4八玉の二手が入っている。近年では必須とも思えるこの交換をしていないあたり、見たところ居飛車側が無策であるような印象を受けるが、この後はどのように展開していくのであろうか。

第1図  第1図以下の指し手
 ▲4五歩 △2二角 ▲4四歩 △同 銀
 ▲2五桂 △5五歩 ▲5六歩 △4三金
 ▲5五歩 △同 銀 (第2図)

 ▲4五歩に△2二角は『これが最前線だ!』によると堀口一四段(当時)の新手。以下も本の通り進むが、△5五歩に▲5六歩が真新しい一手。『これが最前線だ!』P52には▲1三桂成以下いきなり切り込む手順が紹介されているが、本譜は力を溜めて攻めようという狙いか。▲5五歩△同銀と後手銀を不安定にさせて第2図。
第2図  第2図以下の指し手
 ▲1四歩 △同 歩 ▲1三歩 △同 香
 ▲同桂成 △同 桂 ▲1二歩 △同 玉
 ▲1四香 △1五歩 (第3図)

 ▲1四歩からいよいよ端攻めが開始された。1三の地点で清算して桂馬と香車を交換し、▲1二歩は玉を吊り上げるとともに△1二歩の受けを消す手筋の叩き。▲1四香と走った手に△1五歩は見慣れない感触だが、次に香車を二枚重ねにされて攻められる手を防いだ苦心の一手だろうか。
第3図  第3図以下の指し手
 ▲4五歩 △2四歩 ▲3五歩 △3二金
 ▲3七銀 △2三金 ▲1三香成△同 金
 ▲3四歩 △5一香 ▲5七歩 (第4図)

 ▲4五歩が拠点を作りつつ▲4四香の打ち込みを見せた渋い一着。後手は△2三歩と玉の懐を広げ、△3二金~△2三金で▲1三香成を促して攻めを催促する。その間に先手も▲3七銀と手厚く上がり、▲3五歩~▲3四歩と取り込んで後手陣に嫌味をつけることに成功した。
第4図 △5一香は5五の銀にヒモをつけながら間接的に先手陣を睨む攻防の一手だが、▲5七歩と冷静に対処して第4図。ここまでの攻防を見るとやはり後手の玉形だけが一方的に崩されている。
 第4図以下も着実な攻めを続けた先手が快勝し、石川六段は一敗を守って昇級戦線に踏みとどまった。逆に児玉七段はこれで七連敗と未だに初日が出ない。

 藤井システムというと多少強引でも一気呵成に襲い掛かる戦法というイメージがあるが、本局は石川六段の棋風らしく力を溜めての攻めが参考になった一局。

たった一手のミスとは

 C級2組第7回戦の二局目は村田-広瀬戦を見て行きたい。ここまで一敗の広瀬四段と二敗の村田四段、いずれも昇級を争う者としては負けられない一戦である。そんなお互いの思惑を反映してか、後手の四間飛車穴熊に対して先手も銀冠から組み替え、相穴熊の将棋となった。
 プロ棋士のキャンパスLIFEには「(後手が)序盤やや作戦勝ち気味」「勢いに任せて仕掛け」「自分でも優勢を意識していた」が「たった一手ミスをしてしまっただけで大変どころか悪くなってしまいました」とある。以上の情報をもとに、「一手のミス」とはどの手かを筆者なりに検証してみたい。
 局面は第1図。仕掛けから二十手ほど経過しているが、これ以前に「ミス」はないと見た。「途中1箇所うっかりがあったものの大事には至らず」という場面は通り越しているかもしれないが…。ともあれここからの手順を追って行く。

第1図  第1図以下の指し手
       △5七馬 ▲3四飛 △6二飛
 ▲7八金寄△7二銀 ▲6八歩 △4六歩
 ▲5四歩 (第2図)

 互いに穴熊だが堅さは後手が上回る。飛車の取り合いはできず、先手の▲3四飛は仕方のないところだ。△6二飛に▲7八金寄と△6七歩成を受けるが、金が玉から遠ざかり感触は良くない。対する後手の△7二銀は飛車先を通しつつ玉を固める味の良い手。この対比からも後手が優位であると推測できる。
第2図  第2図以下の指し手
       △4七歩成▲5三歩成△6五飛
 ▲5九歩 △5六馬 ▲5四飛 (第3図)

 ▲5四歩を放置して△4七歩成は驚きの一手だが、なるほど「5三のと金に負けはなし」になっても△6五飛と逃げて、6筋に歩が立たないためすぐに金気を取られる形ではない。よって先手は▲5九歩と渋く受ける。これを広瀬四段は「うっかり」した可能性もあると見た。△5六馬と引き次の△5七とを見せる後手に対して、先手は▲5四飛と馬取りに回って第3図。ここが問題の局面ではないだろうか。
第3図
  第3図以下の指し手
       △5七と ▲5六飛 △同 と
 ▲1二角 △5七飛 ▲2一角成 △6四飛
 ▲6五桂 (第4図)

 △5七とが「一手のミス」ではないか。▲5六飛と馬を取られ、△同とに▲1二角でと金と桂馬の両取りがかかってしまった。虎の子のと金を失うわけにはいかず△5七飛と受けたが、▲2一角成~▲6五桂で桂損から金損へと被害が拡大してしまった。
第4図 プロ棋士のキャンパスLIFEにも「桂損ならまだ耐えますけどやっぱり金損は大きい…」とあるように、ここで形勢が逆転したと筆者は推察する。代替手段としてじっと△4六馬はどうか。以下▲4二と右△5七と▲5二と寄△6八と…のような単純な攻め合いなら後手に分がありそうだ。ただし△4六馬に▲4四飛と飛車成りを見せつつと金寄りを牽制する手が気になるか。△3七馬と桂を取る手も馬がそっぽに行くようにも思える。
 実戦は第4図以下も見ごたえのある攻防が続いたものの、最後に華麗な決め手を放った先手の勝利。村田四段、広瀬四段ともに四勝二敗となった。

 前回大平先生の将棋を検討した際のように、プロ棋士のブログに書かれた対局の感想をもとに一局の将棋をあれこれ考えてみた。先日筆者は「棋力向上にどれだけ役に立つかは未知数」と記したが、改めて思うにこのやり方も手を読む力を養う上ではなかなか効果的ではないかという気もする。

不思議流四枚穴熊

 引き続きB級2組順位戦より、中村修-畠山成戦を取り上げる。「不思議流」の異名を持つ中村八段は振り飛車を指しても独特の味わいを見せるが、本局は畠山七段の四間飛車に居飛車穴熊を採用、自分だけ一歩を手にした上に四枚の銀冠穴熊でガチガチに囲ったものの手詰まり模様となった。銀冠から穴熊に組み替えた後手は、金を8二~7二と何度も往復させての待機作戦に出る。
 第1図は打開を図りたい先手が端に角を出たところだが、この時点で既に79手目である。そしてここからもやはり長い。

第1図  第1図以下の指し手
       △1五歩 ▲2六角 △1六歩
 ▲1五歩 △2四歩 ▲同 歩 △2二飛
 ▲1六香 △2五歩 ▲1七角 △2四飛
 (第2図)

 後手が△1五歩と仕掛けて局面が動いた。▲2六角△1六歩▲1五歩には△2四歩▲同歩と突き捨てて△2二飛がよくある筋。この瞬間▲4五歩と打ちたいが、△2四飛の時に歩が持ち駒になく受けに窮する。本譜は△2五歩を先に決めてから△2四飛で、後手が軽い形となった。
第2図  第2図以下の指し手
 ▲4五歩 △同 歩 ▲6五歩 △3三桂
 ▲6四歩 △同 金 ▲6五歩 △6三金
 ▲6七飛 △2六歩 (第3図)

 ▲4五歩△同歩▲6五歩に△同歩は▲6四歩△同金▲4五桂とさばかれてまずい。△3三桂と跳ねるのが味の良い手で、6筋を取り込まれ▲6五歩と打たれてもたいしたことはない。▲6七飛で次の▲6四歩を狙うが、△2六歩と突き出す手が角道を塞いでぴったりだ。とはいえすぐに△2七歩成はなさそうな形だが…。
第3図  第3図以下の指し手
 ▲3九角 △2七歩成▲6六角 △3七と
 ▲3三角成△2七飛成▲1一馬 △7三金寄
 ▲6六馬 △6三歩 (第4図)

 第3図で▲2五歩と催促し、△同桂▲2六角で次に▲6四歩を狙うような手はなかったのだろうか。▲4五桂と跳ねる筋も残り、後手は受け止めるのが難しそうだ。
 本譜は角を大転換させ▲1一馬までで香得となったが、△7三金寄が▲6四香を防いだ渋い一手。さらに△6三歩と傷を消して第4図を迎える。
第4図
  第4図以下の指し手
 ▲4八馬 △1六竜 ▲3七馬 △3五歩
 ▲同 歩 △5六竜 ▲6六飛 △5七竜
 ▲3八馬 △8五歩 (第5図)

 ▲4八馬は一瞬ハッとさせる手だが、冷静に△1六竜と拾っておけば良い。以下竜を展開して▲3八馬とそっぽに追いやる。ここで▲4七歩もありそうだが実戦的には指しづらいか。
 自分の玉頭でもあるだけに反動もきついが、△8五歩と決断の一手を放って第5図。
第5図 以下▲8五同歩△8六歩▲同銀直△9四桂と進みなおも難しい戦いが続いたが、終始後手がペースを握って攻め続ける展開に。先手もしぶとい粘りを見せるも、192手という長手数の末に畠山七段の勝ちとなった。
 今回紹介していない箇所も含めて、どこかで先手が踏み込みそこなったような印象を受ける。不思議流の棋風が裏目に出た格好か。個人的には穴熊のような固める将棋は、中村八段が採用するとあまり相性が良くないと感じるのだがどうだろうか。本局にも「らしさ」は所々に現れているが…。

 ともあれ、双方に味のある一着が見られたプロらしい好局と言えよう。

四間飛車 in C級2組第六回戦(1)

 18日に行なわれたC級2組順位戦第六回戦では、対抗形や相振り飛車の将棋が続出して筆者としては嬉しい限りであった。本日より順に何局か取り上げてみたい。
 まずは増田-橋本戦から見ていく。ここまで全勝の橋本五段は四間飛車を採用、穴熊に潜るかと思いきや本局は美濃囲いに構えた。対する増田五段は居飛車穴熊でこれに対抗、第1図で▲3六歩のような手なら△4四銀と上がってよくある将棋になるが…。

第1図  第1図以下の指し手
 ▲6八銀 △5二銀 ▲2六飛 △4四角
 ▲3六飛 △3二飛 ▲4六歩 △3五歩
 ▲1六飛 △4六歩 ▲同 飛 △4三歩
 (第2図)

 ▲6八銀は松尾流を見せておなじみの一手。△5二銀には3七歩型を活かして▲2六飛と4筋を受ける。以下▲4六歩とこちらから突く展開となり、△4三歩と打たせて自分だけ一歩を持ち居飛車も不満はない。第2図で▲7九銀右と固める手もありそうだが、先手はさらに動く。
第2図  第2図以下の指し手
 ▲2四歩 △同 歩 ▲6五歩 △7七角成
 ▲同銀右 △6五桂 ▲6八銀 △3六歩
 ▲4四歩 △同 歩 ▲同 飛 (第3図)

 飛車は2筋にいないが、この場合でも▲2四歩~▲6五歩が攻めの形。角交換後の△6五桂▲6八銀でいったん後手を引くものの、△3六歩に▲4四歩△同歩▲同飛と進んだ第3図では、△4三歩のような手なら▲2四飛と回って先手良しとなる。この飛車回りがなかなか受けづらそうだが、後手はどうするか。
第3図  第3図以下の指し手
       △3五角 ▲4五飛 △3七歩成
 ▲3三歩 △同 飛 ▲2二角 △3六と
 ▲1一角成△4四歩 ▲3三馬 △同 桂
 ▲3五飛 △同 と (第4図)

 △3七歩成として▲2四飛を許す指し方では、△4八と▲2一飛成△3九飛成▲6六歩△5八と▲6五歩△6八と▲同金引くらいで居飛車良しだろう。本譜は△3五角と打ったが、▲3三歩△同飛▲2二角と打ち込み、▲1一角成で先手は香得を果たした。以下大駒総交換の展開となり第4図を迎える。
第4図 先手は駒得で手番を握っているが歩切れ、後手は両桂がさばけており、ここではいい勝負か。

  第4図以下の指し手
 ▲3一飛 △4五桂 ▲7五歩 △同 歩
 ▲9六角 △8四歩 ▲5五歩 △5七桂左成
 (第5図)

 ▲3一飛△4五桂に▲7五歩△同歩▲9六角が珍しい筋。次に▲7四香と打たれると、△8一銀と逃げても▲6一飛成△同銀▲7一香成△7二銀左▲8一成香△同玉▲6三角成△同銀▲7三金が一例で寄せられてしまう。
第5図 香打ち自体を防ぐのは難しく後手ピンチのようだが、△8四歩と突く手があった。今度は▲7四香に△8三銀と上がれるのが大きく、▲6一飛成△同銀▲7一香成にも△7二銀上で大丈夫だ。いつでも8五の地点に駒を打って、角筋を止めることができるのが大きい。
 本譜は▲5五歩と突いたが緩い印象は否めない。△5七桂左成が入った第5図では攻守の立場が入れ替わった。先手に桂を渡すことになるが、▲7四桂は△7三玉でたいしたことはない。
 以下後手が攻め立てるものの押し切るまでには至らず、見ごたえある応酬が続いて第6図。
第6図 名人戦棋譜速報内の応援掲示板ではこの段階で「橋本五段が入玉できそうで勝っているのでは」とのことだったが、▲5七桂△5六玉▲5三飛成△4七玉▲4五桂△5二香▲7四角△6五銀▲5二角成△同金▲4九香△3六玉▲5二竜と進んでみると一転して「増田五段の勝ちになったようです」と見解が変わった。実戦もこの後入玉した後手玉が即詰みに討ち取られて先手の勝ち。
 △5二香と打った手が敗着ではないか。直後に▲7四角~▲5二角成と取られてしまい、▲4九香が厳しいのでは明らかに変調である。もっとも他に5一の金取りを受ける手も難しいが…。

 橋本五段は手痛い黒星を喫して全勝がストップしてしまった。とはいえ中盤の攻防、先手の▲9六角、攻守ところを変える終盤戦から最後は入玉模様と、内容の濃い熱戦であったことは疑いようもない。

勝率八割の恐怖

 14日に行なわれた第36期新人王戦・決勝三番勝負第二局の千葉-渡辺戦より。再び千葉五段の四間飛車対渡辺竜王の居飛車穴熊という戦形となったが、本局は▲6六銀型ではなく中飛車に振り直して5筋の歩を交換する作戦を振り飛車は採用した。

第1図 第1図は以前取り上げた千葉-島戦と似たような局面で、ここで島八段は8筋を突き捨てて△4二角~△6四銀という構想を見せたが、本局の渡辺竜王は△7二飛と回り7筋で一歩手に入れる順を選んだ。
 相手が一歩持ったのだからこちらも、とバランスを取る意味もあり有力な指し方と思う。以下先手は銀冠に、後手は松尾流に組み替えて第2図。居飛車からすぐに攻める手もなさそうだが、振り飛車の駒組みは飽和点に達しており、先手番ということもありここから積極的に動く。
第2図  第2図以下の指し手
 ▲5五歩 △同 歩 ▲同 飛 △5四歩
 ▲6五飛 △6四歩 ▲8五飛 △8四歩
 ▲8六飛 (第3図)

 一度切った歩を再度合わせるからには飛車を引くはずはない。▲6五飛と途中下車したのは△4二角と飛車に当てられる筋を消したもので、仮に第3図で△6四歩が突いていないとするとすぐに△4二角と引かれ、▲7五歩△同飛▲8四飛△7三桂くらいで次に△8五飛のぶつけがあり先手自信のない戦いだろう。
第3図  第3図以下の指し手
       △6五歩 ▲5三歩 △4五歩
 ▲同 桂 △4四角 ▲5七角 △7三桂
 (第4図)

 第3図で△7三桂も有力そうだが、次に角引きの含みもあり△6五歩が本筋か。▲5三歩は△4二角を甘くしつつと金作りを狙う手筋の一手で、△同金は利かされと見たか△4五歩▲同桂△4四角と進む。後手を引いて指しづらい感もあるが、次の△6六歩も厳しく本譜はそれを防いで▲5七角に、そこで△7三桂と跳ねて第4図。
第4図  第4図以下の指し手
 ▲7五歩 △同 飛 ▲5二歩成△8五歩
 ▲7六飛 △同 飛 ▲同 銀 △8八飛
 ▲6三飛 △8九飛成▲5三と (第5図)

 ここでは▲7七桂があったのではないか。△6六歩▲同銀△6五歩には▲7五銀で飛車が死ぬ。また△8五歩▲同桂△8四飛と強引に飛車交換を迫ってくれば、▲7三桂成で駒得できる。
 本譜の進行は7六の銀が中途半端な位置になるのがネックだ。以下先手は4三の金に狙いをつけて第5図を迎える。
第5図  第5図以下の指し手
       △4二歩 ▲4三と △同 歩
 ▲5三桂成△9九竜 ▲4五歩 △5五角
 ▲4六金打△6六角 (第6図)

 冷静に△4二歩と受けて、金を取られてもまだ金銀三枚の穴熊は堅い。△9九竜に▲4五歩は自玉の端をにらむ角を移動させようとする意図と思われるが、△5五角と逆先を取られて▲4六金打と使わされ、そこで△6六角と出られるようでは手の流れがおかしいように筆者には感じられる。
第6図 実戦は第6図以下、▲同角△同歩▲6四角に△1七香という華麗な決め手(渡辺明ブログ参照)が出て渡辺竜王の勝ち、二連勝となり新人王に輝いた。
 戻って▲4五歩のところで▲4三成桂はないのだろうか。△同金▲同竜の瞬間が怖いが、△2六香や△2六桂は▲4四竜でさすがに無理筋と思う。単に△6六角なら▲同角△同歩に前述の△1七香の筋を防いで▲3九金打とでも埋めておく。冴えない発想かもしれないが、4六に打たされるよりは働いた金打ちのように思えるのだが。

 本局も松尾流の堅さがいかんなく発揮された将棋。金気一枚取っても依然として維持されるその堅陣は、振り飛車党にとっては恐怖とも言える。組み上がる前に仕掛けるなりして、何としても阻むに越したことはなさそうだ。

 追記(19日):遅ればせながら囲碁・将棋ジャーナルの解説を見た。第5図から第6図に至るまでの▲4五歩が疑問、という意見は筆者と一致。代わりに▲5四成桂でどうかと述べられていたが、△2六香がありそれで先手が良くなるというわけでもなさそうだ。
 筆者の提示した二つの代替案はleifang_doaさんのご指摘通りうまくいかない。となるとこの将棋も第一局と同様、難しいところはあっても終始渡辺竜王がペースを握り、少なくとも千葉五段の方に形勢が傾いた局面はなかったという結論に現時点ではなりそうである。
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