四間飛車党の備忘録

四間飛車メインで振り飛車・相振り飛車・右玉なども含めあれやこれや綴っていきます。

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二十世紀の銀損定跡

 後手番だが相手(五段)が右四間飛車の構えを早々に見せてきたため、四間飛車で対抗して迎えた第1図。振り飛車側としては銀冠に組めていないのが不満である。△6五歩、そして図の△1四歩(完全な手待ちだが、代わる手も難しい)が無駄な手になってしまったか。ここから戦いがはじまる。

第1図  第1図以下の指し手
 ▲4五歩 △同 銀 ▲同 銀 △同 歩
 ▲3三銀 △同 桂 ▲同桂成 △6二飛
 ▲4五飛 △4四歩 ▲2五飛 (第2図)

 ▲4五歩は定番の仕掛け。△同歩と取るのは▲1一角成で△6五桂と飛べないためおそらく不利。よって銀交換は必然となる。▲3三銀のところではやはり単に▲1一角成の方が嫌だった。本譜は振り飛車の右桂が銀と交換になるなら歓迎だが、△6二飛で飛車が隠居するのがつらい。▲4五飛△4四歩は飛車角どちらでも取れないので▲2五飛は当然の一手である。第2図

  第2図以下の指し手
        △3三角 ▲2三飛成△5一角
 ▲4四角 △8三桂 ▲8八玉 △7五歩
 ▲同 歩 △同 桂 ▲7六銀 (第3図)

 もし1筋を突いていなければ△1四銀と露骨に飛車を殺す手がある。『窪田流四間飛車〈2〉撃退!右四間』P52に類似形で先後逆にして載っており、以下微差で振り飛車優勢と結論づけられている。しかしこの場合は△3三角と取るよりない。▲2三飛成に△3二銀▲3四竜△4二桂▲3五竜△3四銀は指す気になれない。第3図
 ▲4四角と出られた局面は振り飛車が銀得だが、大駒の働きが違いすぎて居飛車有利が二十世紀からの定説である。以下悪あがきをするも、冷静に対処されて第3図。後続手段はあるのか?

  第3図以下の指し手
        △7四金 ▲5三角成△6四銀
 ▲4四馬 △6六歩 ▲同 馬 △6五銀打
 ▲同 銀 △同 銀 ▲4四馬 △7六銀
 (第4図)

 △7四金と守備駒を攻めに使うのが勝負手。第4図▲5三角成を許すのは仕方ないが、そこで△6四銀と厚みを加える。▲6二馬△同角ならもちろん大歓迎だが、さすがにそうは進まず▲4四馬。しかし△6六歩に▲同馬がおそらく疑問手。▲同歩が優っただろう。△6五銀打で手ごたえを感じた。銀交換後△7六銀とすりこんで形勢逆転を意識しはじめる。

  第4図以下の指し手
 ▲6六桂 △8七銀打▲7九玉 △6四飛
 ▲7四桂 △同 飛 ▲6六馬 △7八銀成
 ▲同 玉 (第5図)

第5図 ▲6六桂のところでは▲7九桂を主に読んでいたが、△8七銀打▲7九玉の交換を入れてから△6四飛と先手を取るのが気持ちのいい飛車浮き。金は取られるものの馬取りは残り先手を取ることができた。▲6六馬に△7八銀成▲同玉と金をはがして第5図。
 ここで△6七桂成が攻め急ぎすぎの悪手で、以下▲同金△8七金▲6八玉△6七銀成に▲同玉が好手で攻めが息切れしてしまった。馬が強力かつ上部が開けており居飛車玉は捕まえにくい。以下十手ほどで時間切れ負け。
 対右四間飛車は過去嫌になるほど指したが、例によって定跡をだいぶ忘れていた。振り飛車は銀冠に組めば充分戦えると個人的には思う。
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五段の5筋位取り左美濃と対戦

 筆者の実戦より。教わるつもりで五段相手にフリー対局を挑み、先手番となったので四間飛車を採用。対する後手は5筋の位を取ってから左美濃に組むという作戦を立ててきた。第1図から先手はどのようにして駒組みを進めていけばいいのだろうか。

第1図  第1図以下の指し手
 ▲2六歩 △7四歩 ▲4七金 △3一角
 ▲8八飛 △4四歩 ▲5六歩 △同 歩
 ▲同 銀 △5五歩 ▲6五銀 (第2図)

 天守閣美濃攻略の糸筋として▲2六歩突きは必須。高美濃に組んで△3一角▲8八飛を利かされるのは仕方ない。ここで△7三桂なら『定跡外伝2』P68の第2図から6手進めた図とほぼ同一(本局は先手なので▲2八玉の一手が入っている)となる。同著と同じように▲5六歩と動くのが急所。△同歩▲同銀△5五歩に▲6五銀(『定跡外伝2』では▲4五銀)とぶつける。第1図

  第2図以下の指し手
        △6五同銀▲同 歩 △5四銀
 ▲6六銀 △8六歩  ▲同 歩 △7三桂
 ▲5五銀 △6五桂  ▲6六角 △5五銀
 ▲同 角 △8六飛  ▲同 飛 △同 角
 ▲2五歩 (第3図)

 第2図では△4三銀引を予想していた。以下▲7四銀△8四飛▲6五銀△6四歩で銀を殺されてしまう……ではなく▲6五銀の代わりに▲7五歩が読み筋。7六への逃げ道を作ろうというわけだ。第3図
 本譜は△6五同銀▲同歩△5四銀▲6六銀と進み5筋の位を後手は守れない。△8六歩▲同歩△7三桂以下暴れてきたが、平凡に対処して飛車交換にも素直に応じ、第3図の▲2五歩が急所中の急所。後手は桂馬がさばけたが角がそっぽ、玉頭の傷を攻められておりここでは振り飛車良しだろう。△3三銀打とでもして粘ってくるかと思ったが、△6八角成だったため▲2四歩△同玉▲4四角まであっけなく勝利。
 この形は△6四角~△7三桂と組まれる前に▲5六歩と動くのがポイント。持久戦になっては進展性に乏しい四間飛車側が作戦負けになる。ちなみに『定跡外伝2』では△4四歩に代えて△7三桂以下▲5六歩△同歩▲同銀△5五歩▲4五銀△同銀▲同歩△3三桂▲6八角……とやはり左美濃の玉頭を狙う手順が紹介されている。また△7三桂ではなく△6四角でも同様に▲5六歩がある。つまり△7三桂・△6四角の両方を許す前に動くべし、ということだ。是非参考にして頂きたい。

消えた戦法の謎~△4四角(▲6六角)型ミレニアム~

 今回のタイトルの元ネタはそのまま『消えた戦法の謎』から。文庫版も絶版(筆者は単行本版を所持)のようだが名著である。読む機会に恵まれれば熟読すべし。
 さて本題に入る。筆者の先手四間飛車に後手(四段に近い三段)は第1図のような陣形を採用。めっきり姿を見せなくなったミレニアム風、しかも旧式とされる△4四角型である。これに対しての対策は……。

第1図  第1図以下の指し手
 ▲5六歩 △2一玉 ▲2八玉 △3二金
 ▲5八飛 △5三銀 ▲7八金 △4二金右
 ▲6五歩 (第2図)

 実は後手の戦法をミレニアムと決め付けるのは時期尚早。▲2八玉や▲1五歩を急ぐと地下鉄飛車にされ端を狙われる危険性がある。詳しくは『羽生善治の戦いの絶対感覚』P13(テーマ2)や第13期竜王戦七番勝負第3局(藤井-羽生戦)を参照のこと。本譜は△2一玉だったのでその可能性は消えた。中飛車に振り直すのが6九金型を活かした構想。第2図
 以下後手は黙々と玉を固めるがこれは無策。△7四歩~△7三桂を急いで▲6五歩を牽制すべき。第2図となっては角交換は避けられず、早くも作戦勝ちを意識した。

  第2図以下の指し手
        △1四歩 ▲5九飛 △2二銀
 ▲4六歩 △7七角成▲同 桂 △4四銀
 ▲6四歩 △同 歩 ▲6三角 (第3図)

 あわてて先手から角を換える必要はない。じっくりと陣形を整える。結局後手から角交換をして△4四銀と5筋の歩交換を防いできたが……。第3図
 この瞬間に隙あり。▲6四歩△同歩▲6三角と打ち込んで第3図。次の▲8五角成と▲5四角成の両狙いが受からない。一方の先手陣は角打ちに強い形だ。

  第3図以下の指し手
        △8六歩 ▲同 歩 △3五銀
 ▲5四角成△4六銀 ▲4七歩 △3五銀
 ▲6四馬 △6六歩 ▲同 銀 △2四銀
 ▲5五歩 △4五角 ▲6七歩 (第4図)

 8筋の歩を突き捨ててから△3五銀~△4六銀と出てきたが、冷静に▲4七歩と対処。第4図
 単に▲6四馬でも構わないのだが万全を期した。馬を作り一歩得で振り飛車優勢である。後は手薄な5筋の歩をゆっくり伸ばしていけばいい。△4五角にも▲6七歩と受けて第4図。
 実戦は以下△1五歩▲4六歩△7二角▲1五歩△同銀▲5四歩△5二歩▲6五桂と進み、端は破られたものの▲7三桂成が実現、角を召し取り2八の玉を左へ上へと動かして入玉を確定させて勝利。参考までに投了図を掲載しておく。
 この「中飛車転換作戦」は『四間飛車道場 第1巻 ミレニアム』のP156~165に詳しく解説されているが、△7三桂(▲3七桂)を跳ねた形でもほとんどの変化が振り飛車指しやすいと結論投了図づけられている。
 同著はかなり居飛車側びいきの内容になっており、その中でこれだけ四間飛車側が優位だと記されているということは非常に優れた作戦であることの裏返しとも言えよう。『鉄壁!トーチカ戦法』にもこの形は載っていたはずだが、うっかりして手放してしまった(古本屋に売ってしまった)。そちらでは居飛車側も戦えるという内容もあった記憶があるが、興味のある方は参考にして頂きたい。
 本局は出来過ぎであるが、この作戦が△4四角(▲6六角)型ミレニアムを衰退させた要因の一つであることは間違いないだろう。とはいえミレニアム全般が最近は「消えた戦法」と化しつつあるわけだが……。

攻撃は最大の防御なり

 先手四間飛車対後手(四段)左美濃→銀冠の将棋より。2六の歩を角でかすめ取られて歩損しているものの、その代償に好形を作り上げて迎えた第1図。次に何でも▲3三角成の筋があり、それを△4四歩のような手で防ぐと2六の角が死んでしまうということもあり、すでに後手が大変な局面だと思う。

第1図  第1図以下の指し手
        △5五飛 ▲同 飛 △5二歩
 ▲8一飛 △6六角 ▲5四飛 △7七角成
 ▲9一飛成△5三角 ▲8四飛 △9九馬
 ▲8一飛成(第2図)

 △5五飛と角を取るのは仕方ないところか。▲同飛に△5二歩は形が悪いが、△5三歩では角が死んでしまう(とはいえ疑問手だと思う)。次に△6六角が残るが構わず飛車を打ち下ろし、5五の飛車を5四~8四~とさばいて第2図で▲8一飛成が実現した。

第2図  第2図以下の指し手
        △3一桂 ▲9三竜 △6六馬
 ▲5七香 △7五角 ▲8二竜上△5三金
 ▲5四歩 △2六香 ▲2七桂 (第3図)

 鬼より怖い二枚飛車に対して△3一桂の受けは仕方ないところか。頑張るなら△2二金だが▲1五歩△同歩▲1三歩がある。持ち駒を使わせて悠々と▲9三竜。△6六馬には▲5七香が好防の一手で、△7五角にも▲8二竜上がぴったり。△5三金の非常手段にも▲5四歩と貪欲に指す。この瞬間歩切れなので△2六香が来たが、▲2七桂で大丈夫だ。第3図

  第3図以下の指し手
        △5七馬 ▲同 銀 △5四金
 ▲5二竜 △6五金 ▲6六歩 △7六金
 ▲6五角 △6七金 ▲4六銀 △6六金
 ▲9二角成△5六歩 ▲8五竜 △9七角成
 ▲8六歩 (第4図)

 △5七馬とバーストを誘って駒得を果たし、離れ駒となった金を執拗に追い掛け回す。以下長手数進めたが、△5六歩の垂らしにも▲8五竜がぴったりで、△9七角成に▲8六歩と馬の利きを遮断、前日に続いて友達をなくす一手だ。第4図
 第4図以下△8七馬▲8二竜上△4二香とさらに持ち駒を使わせて、▲5四歩と垂らしボチボチ攻めて制勝。

 『藤井システム』にも記されている通り、銀冠に対しては①4筋(6筋)の位を取る、②2六(8四)の歩を角で取られても気にしない、この二つがポイント。後は居飛車の5二(5八)の金を離れ駒にして活用させないのが重要だ。本譜は▲7三角成を受けるために金が6二に離れており、さらに条件が良い。対する振り飛車の銀は守りに参加しており(第1図の直前に6七から引いた)、その差が如実に現れている。拾った駒を二枚飛車の攻めで次々と使わせ、攻撃は最大の防御なりを地で行なった一局。

左美濃は縦から潰せ

 ▲7六歩△3四歩▲6六歩△4四歩▲6五歩の出だしから結局筆者の四間飛車対相手の左美濃に落ち着いて第1図。△6四歩は当然ながら悪手で、ここで気持ちの良い一手がある。

第1図  第1図以下の指し手
 ▲4四歩 △同 銀 ▲6四歩 △8六歩
 ▲同 歩 △8八歩 ▲9七桂 △9五歩
 ▲6三歩成△9六歩 ▲7三と  △9二飛
 (第2図)

 この瞬間に▲4四歩が好手。△6五桂なら▲4三歩成以下三枚換えだ。△4四同銀と取るところではまだしも△同金と取り、▲6四歩に△6二歩と辛抱すべきか。本譜は8筋の攻めにも慌てず急がず対応し、先に▲7三とと桂得して悪かろう理屈はない。ここからどうやって優位を拡大するべきか。
第2図
  第2図以下の指し手
 ▲4五歩 △5五銀 ▲5六歩 △6八歩
 ▲同 角 △9七歩成▲5五歩 △8七と
 ▲同 銀 △9九飛成▲同 飛 △同香成
 (第3図)

 ▲6一飛成でも▲8五桂でも一向に構わない局面だが、本譜は▲4五歩△5五銀▲5六歩とより貪欲な手段を選んだ。△6八歩の叩きを角で取るのが趣向。以下端を破られ飛車交換となったが、依然として銀香交換の駒得である。

第3図 第3図での次の一手は筆者好みの▲6九歩。これでいっぺんに先手陣が引き締まり、3九玉型の弱点をカバーすることができた。以下△8九飛?▲7八銀△6七歩▲4六角△8六角▲8九銀△同歩成▲2五歩と藤井システムよろしく左美濃の玉頭を直撃、△同桂▲同桂で△2五同歩と取らなければまだしも、手抜いて△5五歩ときたため▲2四歩△2二玉▲2三銀とガリガリ攻めで快勝した。

 旧版の『藤井システム』を読んで以来、対左美濃にはめっぽう強い筆者。まあ使う相手がたいてい格下ということもあるのだが……。
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