四間飛車党の備忘録

四間飛車メインで振り飛車・相振り飛車・右玉なども含めあれやこれや綴っていきます。

対居飛車穴熊(▲2六角・3七桂型) △6五歩(3)

 前々回前回に続いて先手居飛車穴熊(▲2六角・3七桂型)対後手四間飛車の将棋を調べてみる。これまでは第1図より△6五歩に対して▲同歩と取る手を研究してみたが、先手がこれを手抜くとどのような展開となるのであろうか。

第1図  第1図以下の指し手
       △6五歩 ▲7五歩 △同 歩
 ▲2四歩 △同 歩 ▲3五歩 △4三飛
 ▲3四歩 △4二角 (第2図)

 ▲7五歩△同歩▲2四歩は先日のNHK杯の深浦-川上戦でも登場した攻め筋。これを△2四同角では▲5三角成以下の強襲を浴びてしまうので△2四同歩を検討してみる。▲3五歩に△4三飛▲3四歩△4二角と受けるのは、形は少し違えど田中魁-石川戦や、『新・振り飛車党宣言!1』P212の石川-中村亮戦に現れている。
第2図 この二つの実戦例と第2図との一番の違いは、後手が△8五歩と突いていないこと。この手は高美濃ゆえに傷になる可能性も高く、必ずしもプラスの一手とは言えない。
 田中魁-石川戦、石川-中村亮戦とも第2図より先手は▲2二歩△1三桂▲2一歩成と攻めている。石川六段はそこで△8五歩型を活かして△8六歩と突いたが、この形では△3六歩が有力と思われる。以下▲1一と△3七歩成▲同角△2五桂▲5九角△3六歩と進めれば石川-中村亮戦と同一の進行で、△8五歩と▲7七金の交換が入っていない局面となる(第3図)。
第3図 ▲7七金型の場合はここで▲6八飛(石川六段が実戦で指した手)が有力となるが、この場合は▲7八飛と転戦すべきか。いずれにせよ第3図自体はいい勝負のように思える。
 個人的に気になるのは、第2図より▲7四歩と打たれる筋である。これを△同金・△8五桂いずれもそこで▲3五角と出て、△3六歩にも構わず▲2四角でどうか。△2三飛は▲4二角成△2八飛成▲5三馬と銀を一枚損してしまうので論外として、△3七歩成▲4二角成△同飛(△同銀と取るべきか)▲2一飛成の展開はどうも後手自信が持てない。

 第2図での▲7四歩にどう対処すべきか、続く▲3五角に対する対策はあるのか。今後の研究課題であるとともに、読者諸兄の御意見を是非ともうかがってみたいところだ。
スポンサーサイト

対▲6八角型の研究

 対居飛車穴熊の▲6八角(△4二角型)で気になる変化が生じたので研究してみたい。前回の自戦記『島ノート』に載っている形とほぼ同じ局面となり、この変化は振り飛車が良いはずという前提の元に取り上げた。
 しかし自戦記第1図より6筋に歩を三連打して飛車先を止め、△4五歩と囲いの急所を突けば居飛車が指せるのではないかというせんすさんの御指摘があった。詳しくはせんすぶろぐを見て頂きたい。
 筆者としてもこの意見には納得せざるを得ない。とすると居飛車の△8六歩を▲同角と取る手は成立することになる。そこで▲同歩と取る変化を改めて研究してみたい。振り飛車を後手番とし、囲いを銀冠ではなく高美濃のままにするなどして条件を悪くしたのが第1図。『四間飛車破り 【居飛車穴熊編】』P107第5図と同一局面である。

第1図 第1図から後手は△2四同歩と取る。△2四同角の時と同様に▲3五歩と飛車の横利きを通す手もありそうだが、竜王本では▲5六歩が紹介されている。銀を逃げていられない振り飛車は強く△4六歩と突き出す。そこで▲4五桂という奇抜な一手もあるようだが、▲5五歩と銀を取る手が本筋と記されている。
 以下△4七歩成▲4五歩△5八と▲8六角△5七と▲同金と進んで第2図。依然として『四間飛車破り 【居飛車穴熊編】』と同一の進行であり、同著P112第2図と同一局面となった。
第2図 ここから△5五角と出るのは▲2四飛△2二歩に▲6五歩とやはり急所を攻められる。「以下△同桂▲5六金△3七角成▲6五金と進めば先手優勢」とのこと。
 角の睨みを消すために第2図で△8五歩が最善なのではないか。銀冠ではないので突きにくい意味もあるが、前述の変化を見せられてはそうも言っていられない。△8五歩▲7七角にそこで△5五角でどうか。▲2四飛△2二歩と受けた時に居飛車がどう指すか、が今後の研究課題であろう。単純に▲2三歩くらいでも嫌な感じはするが…。

 仮に第2図で先手が▲7九金型ならば、△8五歩▲7七角に△5六歩▲同金△6七銀が有力となる(『振り飛車ワールド’04 第1巻』参照)。

 ▲2六角型が最近実戦例も多くプロ間では最先端という印象が強いが、▲6八角型も無論のこと有力でまだまだ研究の余地はありそうである。筆者の対戦相手はあまりこの形を採用してこないのだが、機会があれば再考察したいところだ。

対居飛車穴熊(▲2六角・3七桂型) △6五歩(2)

 前日に引き続き先手居飛車穴熊(▲2六角・3七桂型)対後手四間飛車の将棋を調べてみる。前回では△6五歩▲同歩△同桂▲6六銀に△6四歩と打つ変化を調べてみたが、第1図のように△6四銀と上がるとどのような展開となるだろうか。

第1図  第1図以下の指し手1
 ▲7五歩 △4六歩 ▲同 歩 △同 飛
 ▲7四歩 △4九飛成▲7八飛 (第2図)

 ▲7五歩は高美濃の急所を突く一手。対して後手も△4六歩と強く攻め合ってみる。ここで▲7四歩なら△4七歩成▲7八飛と筆者の実戦通り進むが、△7七歩▲同桂に△同桂成ではなく△5七とがあるのではないか。▲6五銀や▲6五桂なら△6七とが厳しい。▲5七同銀なら△同桂成▲同金に△7六歩がありいずれも後手が指せると思う。
第2図 そこで先手はいったん▲4六同歩と取る。△同飛にそこで▲7四歩と取り込み、△4九飛成▲7八飛で第2図。
 ここで後手はどう指すべきか。△1九竜のような手だと▲6五銀△同銀▲6四歩の攻めがうるさい。△6二金引は▲同角成△同金▲6三金とガジガジ攻められてまずそうだ。
 第2図では打ちづらいが△4四歩はないだろうか。角筋を止めてしまえば先手の攻撃力も半減する。また△2九竜で角をいじめる手も残っており、一気に潰されることがなければ振り飛車が指せるのではないか。
第3図  第1図以下の指し手2
 ▲6五銀 △同 銀 ▲6四歩 △6二金
 ▲5七桂 △6六歩 (第3図)

 第1図から▲6五銀と取る手も、△同銀に▲6四歩△6二金が入り怖い手である。先手は▲5七桂と打って攻めの継続を図るが、そこで△6六歩と切り返せば後手が良さそうだ。
 第3図以下金を逃げれば△5六銀。▲6五桂△6七歩成▲5三桂成△7八銀の攻め合いは振り飛車に分がある。▲4五桂左とひねって指すのも△6七歩成▲3三桂成△同桂でと金が大きい。

 第1図の局面で先手に他の手もありそうだが、筆者の見解では振り飛車が充分に戦えそうである。次回は先手が△6五歩そのものを取らず、▲7五歩と攻めに行く変化の研究に移りたい。

対居飛車穴熊(▲2六角・3七桂型) △6五歩(1)

 NHK杯の深浦-川上戦で現れ、筆者の課題局面となっていた先手居飛車穴熊(▲2六角・3七桂型)対後手四間飛車の将棋を今回から研究してみたい。まず基本図は第1図と定める。

第1図 川上六段はここで△1三香と指したが、振り飛車が一方的に攻められる展開となってしまった。個人的には香を上がって手待ちをするよりもここで△6五歩と仕掛ける方が有力に思える。
 △6五歩に対して先手はどう対処するか。▲6五同歩と素直に取る手、手抜いて▲7五歩△同歩▲2四歩と攻め込む手の両方が考えられる。それぞれ順を追って解説していきたい。
 △6五歩を▲同歩と取れば△同桂▲6六銀までは必然である(第2図)。この局面が後手にとっても分岐点だ。△6四歩と打つか、△6四銀と上がるか。まずは前者から調べていく。
第2図  第2図以下の指し手その1
       △6四歩 ▲2四歩 △同 歩
 ▲7五歩 △4六歩 ▲6五銀 △同 歩
 ▲4五桂打(第3図)

 △6四歩と打って後手は次の△4六歩を狙う。▲4八飛のよう手では△6六角▲同金△5七銀の筋があり先手はこれを受けにくいが、▲2四歩△同歩▲7五歩が『東大将棋四間飛車道場 第十二巻』P127に載っていた手順。△4六歩に▲6五銀△同歩▲4五桂打と反撃して第3図となる。
第3図  第3図以下の指し手
       △8八角成▲同 金 △6二銀
 ▲4四角打 (第4図)

 △4四角と逃げるのは▲5三桂成で悪いので△8八角成と切るのはこの一手だと思う。▲同金に銀の逃げ方が三通りあるが、△4四銀は▲3一角△3二飛▲4四角△3一飛▲5三桂成で後手が悪い。
 △6四銀と逃げるのが形だが、やはり▲3一角と打たれて△3二飛▲6四角成△同金▲5三角成の筋が気になる(参考1図)。
参考1図 参考1図で△6三金なら▲4三馬△2二飛▲5三桂成で先手好調である。△7三銀打のような受けでも▲2四飛と走られ、△2二歩にそこで▲4三馬~▲5三桂成とやはり手順に成り込まれてしまう。
 そこで△6二銀と逃げてみたものの、▲4四角打が次の▲5三桂成と▲1一角成を見て好打となる(第4図)。両方を一度に防ぐ手はなく、筆者の見解では後手の難局と思う。穴熊も金一枚で薄いが、飛車の横利きが通っている現状では先手玉を寄せにくい。また▲1一角成と馬を作る展開になれば自陣にも利いてくる。
第4図 第2図で△6四歩は狙いの△4六歩の瞬間に反撃され、『東大将棋四間飛車道場 第十二巻』では「形勢不明」「難解」と評されているが個人的にはやや不満に思う。第4図などは玉の堅さに差があり実戦的には後手も戦えると思えなくもないのだが…。
 ともあれ次回では第2図で△6四銀と上がる手を調べてみることにする。